入院・手術体験記(その12)

乳腺腫瘍摘出手術のための入院体験記です。

 

前回は、入院時の荷物について、持って行ったけど使わなかったものや、持って行かなくて院内で買ったものなどについてお話ししました。

今回は、退院後の外来診察で聞いた、病理検査の結果についてお話しします。

 

2017年9月6日。

 

手術後、ほぼ2週間のこの日、退院後の初めての外来診察に行きました。

 

インターネットで買った、前開きのカップつきキャミソールを着て行きました。マジックテープで留めるタイプで、診察時に傷の具合を見てもらう時に、大変便利でした。

全く同じものではないですが、以下のようなものです。

 

 

 

診察室に入ると、担当医が「手術、お疲れさまでした」と声をかけてくださり、早速、傷の様子を見てくれました。

きれいになっていて問題ないとのことでした。

 

それで、先生が、「ちょうど病理検査の結果が出たんです。線維腺腫ではなくて、良性の葉状腫瘍でした。」と、サラッと報告してくれちゃいました。

 

話はそれますが、昔、義母が大腸がんで闘病中に、いつもは車で乗せて行ってあげていた義父が、認知症特有の「急な不機嫌」か何かでへそを曲げてしまい、仕方なく、義母が1人でタクシーで病院に向かったことがあったんです。

その日、義母は先生から病状がかなり重篤であることを告げられたのです。

 

「ご家族はご一緒じゃないんですか?」と聞かれたそうで、その日に仕事に行っていた夫は、心の底から後悔したそうです。

「あんなつらい宣告を1人で聞きに行かせてしまった」と。

 

そんなことがあってから、夫は検査結果を聞きに行く時は必ず自分がついて行こうと決めていて、私の検査結果を聞く日も休みを取って付き添うと言ってくれていました。

 

 

話を戻します。

今回の私の病理検査の結果が出るまでには、1ヶ月ぐらいかかると言われていました。

そして、私の手術前の検査やら、入院初日の付き添いや手術の立ち会いなどでたくさん休みを取ってくれていた夫に申し訳ないから、退院後の最初の外来は傷の様子を見るだけだし、私が1人で行くよということで、1人で出かけていました。

 

ところが、予想外に早く病理検査の結果が出ていたために、この日に聞くことになりました。

 

良性の葉状腫瘍。

 

これは、想定していた中では「最悪」の結果でした。

 

葉状腫瘍については、前に書かせてもらいましたね。こちらの記事です。

 

良性であっても、最初の手術で取り残しがあると、再発を繰り返しながら悪性に向かい、場合によっては肺などに転移し、手がつけられなくなって命に関わる病気です。

乳がんは化学療法が効きますが、葉状腫瘍は効かないとされ、初回の手術でいかに完全に取り除くことができるかが全ての鍵を握っている、そんな病気です。

また、この病気は乳腺線維腺腫との区別が困難で、細胞を取って調べる「針生検」で線維腺腫と診断されても、手術で取って調べたら葉状腫瘍だったというケースも多いので、そこがまた怖いところです。

 

さて、私の場合は、こういった葉状腫瘍の恐ろしさをインターネットで見ていたので、手術前に先生に以下のようにお願いしていました。

 

「この腫瘍が葉状腫瘍だったら怖いので、針生検の結果が線維腺腫だったとしても、葉状腫瘍を想定して周囲の正常な組織も含めて多めに切除してください」

 

先生も、たぶん心の中ではそうしたかったのだと思います。「そうですね。その方がいいと思います。腫瘍から十分な距離を取って切除します」と快諾してくださいました。

 

そんなわけで、手術では腫瘍の周りを1cmほどのマージンを取って切除してくださったとのことです。

 

 

つまり、たぶん、今回の手術で取り切れていると思います。

本当に取り切れているかどうかは、先生を信じるしかありませんが・・・。この病院では、良性の場合、マージンは基本的に1cmで十分と考えているようなので、信じようと思います。

 

最悪、再発したとしても、再発1回目でまた十分なマージンを取って手術すれば、何とか間に合うのではないかと・・・。もしかしてその時は乳房全摘になるかもしれないけど・・・。

これ、決して大げさではなくて、本当に葉状腫瘍は怖いので、再発と悪性化という「負のスパイラル」のリスクを考えると、全摘も辞さない覚悟が必要なのです。

 

というわけで、今回は「良性」だったからまだ良かったですが、「悪性」だったら乳がんよりもたちが悪い、この「葉状腫瘍」という病気、皆さんもぜひ覚えておいてください。

そして、針生検で線維腺腫だったとしても、もし明らかな増大傾向があり、腫瘍が大きかったら、マージンを取った手術を依頼してください。

 

一歩間違えたら命の危機にさらされていたかもしれない今回の私の経験が、1人でも多くの人を救えることを願って、この記事を書きました。

 

これで入院・手術体験記は、ひとまず区切りをつけようと思います。

 

次回のブログ更新は、着物の話題に戻したい・・・。

今後ともよろしくお願いします<m(__)m>

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