着物の相談相手との電話

久しぶりに、昔からの知り合いが電話をくれました。特に用事はないけど声が聞きたくなったとのことでした。

彼女と知り合ったのは、16年ぐらい前です。
当時の勤め先で同じ部署の人たちとうまくいかなくなり、1人でお昼を食べに地下の喫茶室に通うようになってしばらくしたころ、たまたまお店が混んでいて、ママが「相席でいいかしら?」と私がいたテーブルに連れてきた女性社員がいました。

その人は私の親より1つ年上ぐらいでしたが、不思議なくらい話が合いました。大きな会社だったから、同じビルに多くの部署があり、関連会社も入っていて、知っている人の方が少なかったので、その人ともママが相席を頼んできたときに初めて会ったのです。
話をするうちに、たまたま自宅が自転車で20分ぐらいで行けるところだとわかり、ますます親しみを覚え、その後はたびたびこの喫茶室で相席になりました。しまいには、「だいたい何時頃になります」とか打ち合わせしてお店で合流するようになりました。

それからいろいろあって私が転職し、その人は定年になり、私が三重県に引っ越し、結婚して群馬に引っ越し・・・。あれこれと移動や環境の変化がありましたが、お付き合いは続いていました。

そのうちに、私が着物好きになったら、彼女も着物が好きで昔はよく着ていたということがわかりました。

それ以来、着物で疑問があると彼女に相談していました。

で、今日、たまたま電話をくれたのをいいことに、また相談してみました。

「来月、母の十三回忌なんですが、母方の親戚が三重県まで行くのが大変だろうということで、父が東京に出てきて食事会を開催してくれることになったんです。その時に着物で行こうと思っているんですが・・・。」
「あら、いいじゃない? グレーか紫の無地がいいわね。」
「紫の鮫小紋があるので、それで行こうかと・・・。」
「できれば、無地がいいわよ。」
「無地は、濃い青のがあるんですが、地紋が立て涌なんです。」
「あ~それは、まずいわね。それなら鮫小紋の方がいいわね。」
「ですよね? そうします。」

という具合に、よき相談相手になってくれるんです。

ちなみに、立て涌というのは、吉祥文様といって、めでたい時に着る柄です。なので、法事には向きません。
こんな感じに、ビシッとちゃんとした意見を言ってくれる着物の先輩がいるということは、ありがたいことです。

彼女のおかげで、着物のマナーなどもずいぶん覚えました。
これからもきっと、いろいろ相談することになると思います。

着物初心者の皆さん、ぜひこういう着物の相談相手をみつけてくださいね。
それが、長続きする秘訣です。

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